2007年1月に登場したiPhoneが大ヒットし、携帯電話はガラケーからスマートフォンへ移り変わっていきました。それに伴いゲーム業界も家庭用ゲーム機からスマートフォン上で遊べる『スマホゲーム』へとシフトチェンジを行なっていく事になります。
今回の記事では、そんなスマホゲームの十数年をまとめています。時代の変化を知って頂けたらと思います。
※ピックアップしている内容は筆者の独断と偏見です。ご了承下さい。
スマホ時代到来
■2008年7月 iPhone上陸
日本でiPhone3G発売。iPhone時代誕生の瞬間である。ちなみに初期はSoftBank独占であった。
当初は、iPhoneの機能を活かしたSuper Monkey Ballや、ネタゲーム系のiBEERなどが人気ゲームだった。
■2008年9月
ソリティアゲーム『Solitaire City』、スマホオンラインゲームのパイオニア『Galcom』
が発売。
■2008年10月
後に多くのゲームに影響を与えるFieldrunnersが発売。『タワーディフェンス』のパイオニアである。
■2008年12月
スクウェアエニックスがスマホ業界に参入。クリスタルディフェンダーズを投入する。今も昔も『FF頼り』なのは変わらない。
黎明期
■2009年2月
iShootがヒット。「スマホ業界は儲かる」と話題になり、各社アプリ開発に積極的になる。
その他、Labyrinth・Azkend・Flight Controlなど、現在のゲームの原点とも言えるゲームが多数登場する。
スマホゲームの可能性を感じさせる時期である。
■2009年6月 iPhone 3GS発売
定番の『Sシリーズ』が初登場。ちなみに『S』は「スピード」の意味する。
■2009年 上半期
主にタワーディフェンスゲームが続々と登場し、1つのジャンルとして確立された時期である。Cartoon Warsが発売されたのもこの時期である。このゲームがなれけば『にゃんこ大戦争』は生まれなかったかもしれない。
■2009年10月
伝説とも言えるヒット作Angry Birdsが発売。多くの作品に影響を与える。ちなみに、後に『世界でも最もプレイされたゲーム』としてギネス認定を受ける。
■2009年 下半期
上半期同様、タワーディフェンス系のゲームが主流であった。まだまだ海外産のゲームが多く、日本の各メーカーは乗り遅れている状況であった。ちなみにDeNAの『怪盗ロワイヤル』が登場したのはこの時期である。まだまだ日本ではガラケーが中心なのがうかがえる。
ガラケー・スマホ混合期
■2010年2月
スクエニがFF1・FF2を移植作品として発売。相変わらずFF頼りである。FFブランド乱発の始まりである。
■2010年 上半期
日本産としてはFFシリーズを皮切りに、ストリートファイターやエスプガルーダなどの移植作品が多く発売される。ソシャゲはまだガラケーのブラウザ系が主流であり、怪盗ロワイヤルが人気絶頂期である。
■2010年 下半期
上半期同様の動きであった。徐々にスマートフォンが普及し始め、ガラケーとスマホ持ちの二刀流が見られる時期でもある。コナミのドラゴンコレクションが発売されたのはこの時。
DeNA・グリー黄金時代
■2011年 上半期
当時人気絶頂だったDeNA・グリー両社がスマホ業界参入を果たす。しかし当初は簡易的なものばかりで、内容は良くなかった。まだまだガラケーの方に力を入れている感じであった。また、ハンゲームもこの時期にスマホ業界に参入している。
■2011年4月
iPad2発売。震災の影響で発売が遅れていた。
■2011年4月
FF3の移植作品が発売。相も変わらずFFである。しかし当時はまだFFブランドも健在だったので、それなりの話題にはなっていた。
■2011年6月
源平対戦絵巻が発売。チェィンクロニクルの原点とも言える作品である。
■2011年7月
グリーがスマホ版『探検ドリランド』を発売。本格的にスマホでもソシャゲ展開を始める。この作品は大きな売上を見せ、業界はソシャゲへと注目するようになる。
同時期にDeNAも『スマホ版怪盗ロワイヤル』や『忍者ロワイヤル』を発売。一層ソシャゲは注目されることになる。
■2011年11月
ガンホーが「ケリ姫クエスト」で初登場。ちなみに、ケリ姫スイーツとは別作品である。
■2011年 下半期
DeNA・グリーの勢いが止まらない時期。ようやくガンホーが参入した時期でもある。誰がこの時、両社をガンホーが蹴散らすと想像できただろうか。
ちなみに12月には『Minecraft PE』が発売されている。この時点ではβ版程度の内容であった。
王者誕生・DeNAグリー衰退へ
■2012年2月
DeNAとグリーが「釣りゲームのパクリ問題」で裁判を行う。グリーが勝訴し調子に乗っていたが、課金ガチャに関連する不正行為を日経新聞に掲載される。ざまぁである。
■2012年2月
グリーとDeNAが争っている間に、後の王者となるパズル&ドラゴンズが発売される。ポチポチ系のゲームが主流の中、斬新的なパズルゲームで勝負に出たガンホー。見事に的中し、瞬く間に人気ゲームとなった。また、優れたUIは後のスマホゲームの基本となり、多くのメーカーが参考にしている。
■2012年3月
iPad3発売。Retinaディスプレイが搭載され、iPadも高精細画面になっていく。
■2012年3月
「ソーシャル6社連絡協議会」と言う名の行政対策が行われる。グリー・DeNA・サイバーエージェント・NHN Japan(後のLINE)・ドワンゴ・Mixiの6社で行われた。このラインナップにグリーとDeNAが入っている事に時代を感じる。
■2012年3月
ハドソンがコナミに吸収され解散になる。
■2012年4月
拡散性ミリオンアーサーが登場。高グラフィックが話題となり、人気作品となる。
■2012年5月
俗に言う「コンプガチャ」が禁止となる。スマホゲームで苦戦し始めていたグリーとって大打撃で株価は大暴落した。
■2012年7月
LINEがプラットフォーム化。LINEゲームがスタートする。LINEユーザー増加と比例して、プレイヤーは拡大していった。
■2012年8月
「釣りゲー問題」で争っていたDeNAとグリー。2月ではグリーが勝訴となっていたが、著作権侵害はないと逆転判決になった。本当にざまぁである。
その傍らでクラッシュ・オブ・クランが発売。世界的大ヒットとなる。両社が争うと大ヒット作品が生まれる?と思ってしまう。
■2012年11月
にゃんこ大戦争が発売。タワーディフェンス(正確には横スクロールRTS)の完成系とも言われ、大ヒット作品となる。ちなみに筆者が始めて遊んだスマホゲームは「にゃんこ大戦争」である。
■2012年
今尚続く大ヒット作品が多く生まれた年。上記以外にもキャンディークラッシュ・ガールフレンド(仮・ドラゴンリーグXなど有名作品も登場している。
余談になるが、この年の個人的ゲーム業界流行語大賞は「任天堂の倒し方知らないでしょ?俺らは知ってますよ」である。グリー面接官が語っていたと話題になった言葉である(後にグリーは否定している)。
パズドラ時代
■2013年1月
脱出ゲームThe Room発売。元祖ではないが、世界的ヒット作となり脱出ゲームの知名度を上げる事になった。
■2013年3月
戦国炎舞-KIZNA-発売。ガラケー名残りのポチポチ系のゲームであるが、それが良いと一定の指示を受ける。そしていつしかトップセールス常連の人気ゲームになっていた不思議なゲーム。
■2013年4月
グリーとDeNAの「釣りゲー問題」。上告を行なっていたグリーだったが、上告は棄却され、DeNAの勝訴が確定する。
■2013月4月
魔法使いと黒猫のウィズが発売。クイズを取り入れた斬新なバトルシステムが受けヒットする。コロプラが躍進した作品でもある。やはり、グリーとDeNAが争う時は大ヒット作品が生まれるようだ。
■2013年8月
チェインクロニクルが発売。本格的なRPGで多くのユーザーを魅了する。セガに大きな利益をもたらした事で、セガが本格的にスマホ業界に取り込むきかっけになった作品。ちなみに多くの作品がチェンクロのシステムを参考にしている。
■2013年9月
モンスターストライク発売。ピンボールを題材とし、遊びやすいゲーム性が受けヒットする。後に王者パズドラに並ぶほどの人気作となり、ここから数年「パズドラとモンスト」の2強時代へと投入する事になる。ミクシイにとっては起死回生の作品となり、息を吹き返した。
■2013年
パズドラの勢いは止まらず独走状態の中、モンストやチェンクロや黒猫など、各社の代表作が生まれた年であった。
そんな中、かつての王者グリーとDeNAはヒット作を出す事ができず低迷していた。