『どうしてソシャゲはサービス終了してしまうのか?』
近年、毎月のようにサービスが終了してしまうゲームがあります。年間にすれば数十本に至ります。
終了理由は様々あるのですが、ソシャゲがサービスを終了する理由を2つのパターンに分けて解説します。
「早期終了パターン」と「長期運営後の終了パターン」です。
早期終了パターン
近年特に目立つのが『数ヶ月でサービス終了』するケースです。ひどいものであれば『数日でサービス終了』するゲームもあります。
なぜ、そんな早期にサービスを終了してしまうのでしょうか?
開発費の回収ができない
まず運営はソシャゲを作る上で『開発費』が発生します。そしてサービスを続けていく上で『運営費(ランニングコスト)』が発生します。
サービス開始からの第一目標は『開発費の回収』でしょう。一種のゴールであり、回収ができれば、後は利益を生むだけにだけになります。
大半のソシャゲは『フリーミアムモデル』でサービスを提供しています。アイテム課金や広告で利益を得るビジネスモデルです。
その方法で開発費の回収を始める訳ですが、まずは回収例を見ていただきます。
【回収例】
開発:1億
運営費:1000万
月売上:3000万
月利益:2000万
上記の回収例では『月の利益は2000万』になります。
開発費は1億なので、5ヶ月同じ利益を出せば開発費の回収は完了になります。
開発費回収後は、運営費を差し引いた金額が利益となり『成功したゲーム』という立ち位置になります。
次に3つの失敗例を見ていただきたい。
【失敗例A】
開発費:1億
運営費:1000万
月売上:500万
月利益:−500万
【失敗例B】
開発費:1億
運営費:1000万
月売上:1000万
月利益:0万
【失敗例C】
開発費:1億
運営費:1000万
月売上:1200万
月利益:200万
■ケースA
完全に赤字です。開発費どころか運営費の回収もできない状況です。
早期終了の最も多いパターンになります。
■ケースB
チャラ程度の売上しか確保できないパターンです。期待のできるコンテンツなら、少し様子を見て運営が続きますが、大半はサービス終了の対象になります。
■ケースC
若干の利益はありますが、開発費の回収には時間がかかるパターン。これもケースB同様、様子を見ながら続けていくことになりますが、伸び代はなければサービス終了の対象になります。
このように『赤字』もしくは『開発費の回収が難しい』と判断されたゲームは早期終了に至ってしまうのです。
新しい開発に力を入れるため
少しでも利益が出ているなら続ければ?
頑張れば伸びるかも?
そんな風に思う方もおられるでしょう。しかし、人員や費用を新しいゲームの開発に回した方が良い、という判断になる事が多いのが現状です。
特に大手ゲーム会社では『新作ゲームを乱発』→『早期サービス終了』のパターンがよくみられます。
「数打てば当たる」そういった提供方法を実行しています。
これは失敗しても、成功したゲームから回収ができるからです。資金があるからこそできる事で、小規模の会社では難しい事になります。
長期運営後のサービス終了
次に長期に渡りサービスを続けていたのに、なぜサービスが終了するのか紹介していきます。
赤字が続いた
長期に渡り運営していたという事は、開発費は回収済みです。よほどの事がない限りサービスを終了する理由はありません。
つまり、利益が発生する限りサービスは継続していきます。
しかし、赤字が続いた場合サービス終了の危機を迎えます。もちろん、長期に渡り活躍したゲームだと、「ブランド力」「固定客」があるので、そう簡単に終了する事はできません。
一時的な赤字ならば、コラボやアップデートなどでテコ入れを行い改善していくでしょう。さらに、『コスト削減(人員削減)』などの延命方法で運営費を下げ利益を出す事もできます。
しかし、それでも赤字が続くようならば、『伸び代』が全くない状況なので、サービス終了を迎えてしまいます。
その他の理由
利益以外でもサービスが終了してしまう、レアなケースが存在します。
バグ
炎上
会社の倒産
版権問題
■バグ
バグなどにより、修復不可能に陥った場合にサービスを終了する事があります。サービス直後やロールバック後に修復不可能に陥ったケースがあります。
■炎上
表記ミスや確率操作などで炎上してしますパターンです。信頼を失うとユーザー離れが加速し、サービス終了に至る事があります。
■会社の倒産
小規模の会社はギリギリの中運営している事があります。会社倒産でサービス継続が不可能になります。稀に他者へ譲渡するケースもあります。
■版権問題
初めから何年契約として決まっていた・トラブルで版権の中止。などでサービスを終了する事があります。
最後に
サービス終了には様々な理由がありますが、やはり利益を出せないゲームはサービスを継続する事が難しいのです。
サービス終了に至るまでに、「少しでも回収しておこう」と思う運営もあれば、「少しでも楽しんでもらって次に繋げよう」と考える運営もあります。
上記の記事を参考にして頂いて、判断してもらえればと思います。
それでは今回はこの辺で。