マイクロソフトが販売する家庭用ゲーム機『Xbox One』だが、日本ではこのまま成功することなく終わりそうである。
日本では2014年9月に発売された本機。初代Xboxから始まり、Xbox360と続き、着々と販売台数を伸ばし続けたゲーム機であった。しかし、本機は優れたスペックを持ちながら日本人には受け入れられなかった。
なぜ、日本では受け入れられなかったのか?そして、なぜ失敗したのか?
今回の記事では、独自の考えで原因を思考していこうと思う。
失敗した理由
発売日が遅れた
発売日 | |
海外 | 2013年11月 |
日本 | 2104年9月 |
アメリカ・ヨーロッパ・ドイツなど13カ国で2013年に発売となった本機だが、日本では後初となる2014年の発売になった。
この時点で『日本に力を入れていない』のは明らかであり、それは本機発売以降も露骨に現れていく。
広告に全く力を入れなかった
新ハードが登場にも関わらず、目立った宣伝は行わず、大規模のイベントすら行なわず「売る気がない」と思われても仕方がない状況であった。
結果、発売4日間で『2万3562台』という最悪なスタートとなってしまった。
Xbox360の成功を活かせなかった
Xbox360は確かな手応えがあった。日本人が海外のゲームを楽しめるようになったのもXbox360の功績は大きいだろう。
そして日本のシュア拡大を狙い、様々なタイトルを発表し『箱○信者』と呼ばれる熱狂的信者を増やしていった。
その勢いのままXbox Oneへと繋げれば、さらなるシュア拡大が期待できたはずだ。しかし、マイクロソフトから戦力外扱いされた日本は、スタートからつまずいてしまった。
Xbox360の成功を、米マイクロソフトは失敗と判断したのだろう。
マルチプラットフォーム展開
この時期からマルチプラットフォームが当たり前になっていく。PSとのマルチ展開が普通であれば「PSという選択肢」が多くなっていくのは必然である。
なぜなら、普及台数が全く違うからである。自国の普及台数が少ないハードで遊ぶメリットはない。ハード面の性能に差がないのなら、普及台数が多いPSで遊ぶのは当然である。
独占ソフト
日本において、比較対象になりやすいのがPS。性能的に似たようなハードだからである。
そんなPSと比較するのであれば、最も重要であるのが『独占ソフト』である。
Xboxでのファーストタイトルは、HALOやGesrsといったタイトルは海外では強い。しかし日本ではキラーとなるソフトではない。
かたやPSでは、ペルソナなどの和ゲーが充実している。
いくら日本人が海外ゲームを受け入れるようになったとはいえ、和ゲー中心なのはどうしようもない事実であり、独占orマルチで和ゲーを独占しているPSに勝てるはずもなかった。
販売戦略
では、海外ソフトをメインで販売戦略を行なっていたかと言うとそうではない。
360時代では丁寧なローカライズが売りだったが、Oneになってからは手抜きのローカライズが増え、終いにはローカライズすらされない状況に陥った。
さらにパッケージ販売をしないタイトルが増え(購入はダウンロードのみ)、全くといってほど、日本でのマーケティングに力を入れていなかった。
任天堂Switchの爆売れ
任天堂の存在を忘れてはいけない。
2017年に発売された任天堂Switchは世界的大ヒットとなった。瀕死のOneにトドメを刺したのは間違いない。全ハード『Wii U』がヒットしなかった任天堂だが、すぐさまヒットハードを出すのはさすがである。
かたや、WiiU低迷期に天下を取れなかったXboxは残念である(PSも同様)。
千載一遇のチャンスを物にできなかったマイクロソフト陣営に、成功の未来などあるはずもなく、存在すら忘れられるようになった。
結論
「なぜXbox Oneは日本で失敗したのか?」
結論でいえば「日本を戦力外扱いをし、力を入れなかった」からである。
個人的にはPSよりも優れたハードであると思っている。しかし、この売り方では絶対に日本では普及しないとも思っている。
360時代に見せた「JRPGラッシュ」のような展開を続けていれば、違った結果になっていた事だろう。残念で仕方がない。
ただ、望みはある。
2020年4月より展開されている『Game Pass』のサブスクサービスが非常に高評価だ。Game Passの詳細はこちらをみてほしい。
筆者もこのサービスは未来のあるサービスであると確信しており、マイクロソフトならではのサービスと思っている。
このサービスが広がれば、年内発売予定の次世代機で覇権を取る未来があるかもしれない。そのためにも、次世代機の広告、Game Passの広告、和ゲーの獲得を頑張ってもらいたい。